粘着トラップによるクワ小型害虫のモニタリング

摘要

桑園では，カイコの多回育に対応するクワの仕立や収穫時期の変化に伴い，防除が困難なクワ小型害虫が増加傾向にある。 しかし，これらのクワ害虫は微小であるため発生様相については不明な点が多い。 また，クワはカイコの餌であるため，桑園での殺虫剤使用にあたっては，害虫の防除適期を把捉してカイコへの影響が少ない薬剤を散布する必要がある。 一方，チャ等の微小害虫を中心に，粘着トラップを利用することで害虫の発生状況を簡易に調査する方法が進展しつつある。 そこで，桑園におけるクワ小型害虫の発生消長調査への粘着トラップの利用を検討した。 この調査は，1990年から1994年まで蚕糸関係の多くの試験研究棟関で実施され，有効な害虫の種類が明らかにされたので，その概要を紹介する。