ァカホシカメムシ類の防除における 種特異的捕食性天敵べニホシカメムシへの期待：Btヮタ普及による熱帯アジアの棉作害虫相の変化に伴って

摘要

我が国の棉作は明治期に経済栽培が途絶えてしまったこともあり（永原，1990),っタGossypium spp. (Malvaceae, ァオイ科）は普段あまり注目されていない作物で ある。しかし，収穫物である綿花は極めて重要な天然繊 維素材であり，今なお世界で最も重要な繊維作物であ る。世界最大の綿生産国はインドで，2015/2016年にお ける生産量は574.8万トンで，中国の479.0万トン，米 国の280.6万トン，パキスタンの152.4万トン，ブラジ ルの128.5万トン，ゥズべキスタンの82.7万トン，トル コの57.7万トン，オーストラリアの56.6万トンと続く (Statista, 2016)。ヮ夕害虫の種類は多いが，なかでも莢や種子を食害す るものは経済的な被害が大きい。主要な莢や種子の害虫 としてォォタノ《コガHelicoverpa armigera,アメリカ夕 バコガH. zea, ニセアメリカタノ、'コガHeliothis virescens ヮタァ力ミムシ刀Pectinophom gossypiella,ヮタミゾゥ ムシAnthonomus grandis等力sあげられる(総説として， Fitt, 1994 ； Luttrell, 1994 ； Luttrell et al., 1994 ； Ramalho, 1994 ； Sugonyaev, 1994)。ァカホシカメムシ類Dysdercus spp.(カメムシ目：ホシカメムシ科）も古くからヮタの 莢や種子の害虫として知られているが，上記の害虫と比 ベると重要性は低かったと考えられ，上記総説ではほと hど言及されていない。