カンボジアの水田雑草一多様性、管理、利用一

摘要

本誌における熱帯アジアの水田での雑草の生態、管理に関する報告は，ベトナム南部（Vol.32, No. 2，1998, Vol.33, No. 8,1999),マレーシア (Vol.30， No.10，1996， Vol.35, No.1,2001), 東南アジア（Vol.27, No.l, No.4, No.8, 1993, Vol.28, No. 2,1994, Vol.36， No.6, 2002)力？ 挙げられるが，これらはおもにこの地域で急速 に広がっていった直播栽培技術の導入に伴う雑 草管理や雑草ィネ発生の問題との関係が強いが， 調査されている国や箇所は意外と少ない。カン ポジァ，ラオスについては，オランダのグルー プによる雑草種の報告が挙げられるが(Naples and Kessler, 2005),生態，管理との関連での 研究は無い。本稿では，1970年から1993年ま での紛争により発展が遅れたが，最近は農業分 野を含む経済発展が進hでいるカンボジアで， 水田生態系の雑草の多様性と管理に関する筆者 らの調査を関連資料を引用しながら紹介する。