Haematococcus属とその近縁属に関する系統分類学的研究

摘要

Haematococcus hxi 属藻類 (Haematococcus Flot.:ァカヒゲ ムシば)は緑藻綱ォォヒゲマヮリロ （Volvocales)に属す る単細胞性の緑藻類で，淡水域に広く分布する。本記事で はHaematococcus属藻類の中で，ァスタキサンチンを牛産 し商栄利用されている種をHaematococcus lacustris (Gir, Chantr.) Rostaf. (= H. pluvialis Flot.)と呼ぶことにする。 Haematococcus lacustris (= H. pluvialis)の生?舌環は，一-本 鞭で を もつ 遊泳 細胞， 球状細胞（緑色-緑色を帯びたォ レンジ色），ストレス条件下で多.Mのァスタキサンチンを萏 積したレッドシストからなる（义门，Wayama et al. 2013)o ァスタキサンチンを蓄積したレツドシスト力;'ifRのように赤 い（haemat-：ギリシア語で「血赤色の」）球状細胞である ことが本属名の由来となっている。球状細胞を新しい培地に 植え替え，培地中の栄養状態が良くなると，iほ人32細胞の 鞭^をもつ娘細胞に分裂し，親細胞壁を破り，ハッチングす る。遊泳細胞はやがて着生し，細胞壁をもった球状細胞にな る。球状細胞はストレスがない条件では，緑色細胞のまま， あるいは少しァスタキサンチンを積した状態で細胞分裂を ストップさせている力，強光などのストレス条件にさらされ ると，多量のァスタキサンチンを蓄積して，細胞が赤くなる (図1B)。 Buchheim et al. (2013)はこのステージをァキネ一 卜と呼hでいる。Wayama et al. (2013)は，Haematococcus lacustris (= H. pluvialis, SCC AP K-0084株）がァスタキ サンチンを蓄積する前後の細胞における微細構造的動態を3 次元立体構築技術を用いて明らカ、にした。体積計算の結果， シスト化した細胞ではオイルドロップにカロテノィドの蓄積 が見られ，細胞の約半分（約52%)を占めることが明らかに なった。