千葉科学大学における雑草をテーマにした 教員免許状更新講習「雑草探検隊」の取り組み

摘要

雑草は，人間の生活範囲の人為的な撹乱環境において自然 に繁殖し，人間活動と関わりを持って進化してきた草本であ る。都市や農山村を問わずどこでも見られるので，最も身近 な植物と言える。雑草は，幼稚園の環境領域，小学校の生活 科-理科.中学校の理科，高等学校の生物などの教材として 優れている。しかし，そのような教育を受ける機会が少ない ため，多くの教員は雑草に関する知識や興味関心が低い。そ して，雑草を植物と人間活動の開わりを学ぶ教材としては利用されてこなかつた（木俣1996;上赤2010など）。2009 (平成21)年4月から教員免許更新制が始まり，常勤' 非常勤にかかわらず，幼稚園，小、中、高等学校，特別支援 学校等の全ての教員は教員免許状更新講習を10年ごとに受 講することが必須となった。また，野外観察を取り入れた教 員免許状更新講習は，多忙な教員にとつて生態分野の研修を 受ける良い機会となることが指摘されている（水澤2016)。 そこで，雑草をテーマとした教員免許状更新講習を開講する ことで，受講者が学校で新たに雑草を利活用した教育が行え るようになると期待される。そして，子どもたちが雑草を身 近に感じ，雑草に興味関心を持つことが期待される。