良食味エダマメ系統「ダダチヤマメ」の高ショ糖蓄積能に関する遺伝子座解析に向けた 試み

摘要

山形県鶴岡市で栽培されるダダ チヤマメは、独特の甘みやコク、香りがある 良食味なエダマメ品種として知られ、貴重な 遺伝資源として位置づけられている。エダマ メの「おいしさ」に関する原因の解明では、 これまでに理化学的側面から数多くの研究が 行われている。特にダダチヤマメ系統群で は、他のダイズ品種と比べてショ糖や遊離ァ ミノ酸を多く含有していること力、「おいし さ」の原因であると報告されている力、現時 点でその成果は十分とはいえない。ダダチヤ マメの「おいしさ」の理由について、その制 御メカニズムを遺伝子レベルで解明できれ ば、地域遺伝資源のブランド力向上が期待さ れるだけに留まらず、「おいしさ」を司る遺伝 子を用いた新規な良食味ダィズ品種の改良も 可能となる。そこで本研究は、分子遺伝学的 なアプローチによって、ダダチヤマメの良食味の原因を遺伝子レベルで解明することを目 的に、ダイズ品種「ェンレイ」とダダチヤマ メ系統「白山」の新規な交雑集団の作出を試みた。現在、交雑後代F2集団を用いて、網羅 的な糖質含量の定量と遺伝子型調査を統合さ せた分子遺伝学的な解析により、ダダチャマ メの「おいしさ」を司る糖質制御遺伝子群の 探索を試みている。