高バイォマス、高糖収量性を併せ持つバイオリファイナリーに最適化したソルガム新品種 「炎龍」の育成

摘要

【研究の背景】バイオリファイナリ一（BR) とは、化石資源である石油の代替となる生物 を活用し、バイオエタノール生産に加えてバ ィォプラスチック、バイォ繊維など高付加価 値なバイォ製品を創出する産業のことであ る。最近我々は、神戸大学との共同研究に よって、ソルガムの搾汁糖液を用いて高機能 バイォ繊維ザィ口ンの原料となる3，4-AHBA の発酵生産に成功した（川口ら、2015)。この ような産業の社会実装を目指す上で、BRに 最適化した系統を研究し品種を育成すること は重要であり、ゲノム育種を駆使した育種学 力《現代社会の問題点の解決に役立つ先駆的研 究となり得る。しかし、これまでは高バイオ マスソルガム（草丈4-5m)と高糖性ソルガム (brix糖度15-20)は別々に育種されてきた。 もし、高バイオマスと高糖性を併せ持つ品種 が育成されれば、糖収量はサトウキビに匹敵 する可能性もあり、それは温帯での糖生産を も可能にし、BRに大きく貢献することが期 待される。そこで我々は、BRに最適化した ソルガム育種を目指し、その結果、新品種「炎 龍」を育成したので報告する。