暑熱環境下での一過性走運動による甘味噂好性変化のパターンと栄養素等摂取量との問わり

摘要

身体活動のエネルギー基質は筋に蓄積されたグリコーゲンであり，特に最大酸素摂取量近くで競技するハイパワー系種目や高強度の身体活動では筋グリコーゲンに活動のエネルギーを依存する割合が高く，筋グリコーゲン蓄積量の多い選手ほど筋および全身持久力が高いことが明らかにされた。 そして，試合前により多くの筋グリコーゲンを蓄積させる，カーボローディング法と呼ばれる食事法が開発されることとなった。 さらに，筋グリコーゲンの回復における炭水化物の摂取タイミングについても議論され，練習直後のできるだけ早い時期がよいとか，24時間以内でよいといった報告がある。このように筋グリコーゲン蓄積量と炭水化物摂取量との間には密接な問わりがあり，炭水化物摂取量の多い選手ほど筋グリコーゲン蓄積量が多く，スポーツ選手における炭水化物の摂り方が競技力向上や疲労回復の観点から重要となっている。