メダカ性決定遺伝子の起源と進化

摘要

われわれヒトを含む哺乳類の性は遺伝的に決まっており，性決定様式はXX．ⅩY型である。 つまり，性染色体の組み合わせがXYだとオス，XXだとメスになる。 しかし，魚類の性決定様式は実にさまざまで，水温やpHなどの環境要因によって性が決まったり，性転換したりするものがいる。 たとえば，ハワイ産のベラでは，体長の異なる2匹のメスを水槽に入れると，大きい方がオスに，小さい方がメスになる。 ティラピアやサケの仲間では，飼育水温によって性比が偏ることが報告されている。また，遺伝的に性が決まっている場合でも，ⅩⅩ一ⅩY型のほかに，「ZZ－ZW型」と呼ばれる，性染色体の組み合わせがZZだとオス，ZWだとメスになる性決定様式をもつ種が確認されており，魚類においで隆決定様式が進化の過程でさまざまに変化してきたことがうかがえる。 ”靖澶扦希幞昆簸摔堡攵鄻敜市詻Q定様式とメダカの性決定遺伝子であるDMYの進化の過程について，最新の知見をまとめたい。