滑空能力をもっ最古の哺乳類

摘要

哺乳矧はもともと地上性の動物として起源したが．その後の進化の過程で．樹上地下　水中．空中へとその生息蹄囲を広げてきた。そのうち．空中という新たな環境に進出するために．哺乳矧ま2通りの方法を発達させた。 飛翔と滑空である。 飛矧ま鳥頬のように自力で翼を動かして．積極的に空気に働きかけて飛ぶ方法である。 滑空は自力で翼を動かすことはできないが．グライダーのように空気の流れをうまく利用して飛ぶ方法である。 前者の例はコウモリ（巽宇目）だけで，その最古の化石記録は約5．100万年前とされている。 後者の例は．以下に述べるように有袋頬（目）．皮翼類（または霊長日）および裔歯頬の3つの目で知られてきた。 従来の最古の化石は古く見積もっても約6．000万年前．確実な証拠としては約2月00万年前にしかさかのぼれない。 しかし最近．真獣類や有袋頬よりもはるかに原始的な哺乳頒で．始祖鳥と同じぐらいの古い日割七（1億3．000万～1億4．000万前）から．滑空した哺乳頬が見つかったのであるり。 新聞各紙（2006年12月14日）にも紹介されたので記憶されている読者も多いだろう。