特集Ⅰ、がhと遺伝-発ガhしやすい素質の科学 がhの遺伝と遺伝子の不活性化-クヌドソン理論を中心に-

摘要

「がhは遺伝子の病気である」ことが現在定着してきた最大の理由は，がh化の標的遺伝子であるがh遺伝子（proto－omcogene；1976年発見）およびがh抑制遺伝子（tumor suppressor gene；1986年発見）が具体的に発見されたことによる．すなわちがh化遺伝子（cancer gemes：がh遺伝子およびがh抑制遺伝子を含む）の発見によってヒトがh化機構は特定の遺伝子レベルで多段階的に描けるようになってきた．最近のヒトゲノム解析の進展によって病気の本態が遺伝子レベルで具体的に考えられるようになり，まさに病気の根幹を追求でき卑エキサイティングな時代になってきた．本稿では，がhの遺伝学（cancer genetics）のパイオニアであるクヌドソン（Kmudson）の発がh理論である“2ヒット”を中心に述べてみたい．