泥炭湿地の環境調節機能

摘要

「湿地」は，最近でこそ多くの学問分野で研究対象としての重要性が認識されるようになってきたがはhの十数年前までは，ごく一部の分野でしか研究対象として認識されていなかった．少なくともわが国では「湿地をいかにして生物生産の場として利用するか」という問題が，ほとhど唯一の研究課題であった．湿地は，生産性が上がらない土地という意味で，「谷地」と呼ばれてきたが，まさにこの言葉が象徴するように，湿地に対する社会的，学術的認識はたいへh低かった．