国際DNAデータバンクとDDBJにおけるゲノム情報活動

摘要

国内外で急速に進展している各種ゲノムプロジェクトから産生されるDNA配列データ量は年々急上昇しており，ヒトゲノム全配列決定の偉業も時間の問題となってきた．ゲノムプロジェクトや研究室で決定されたDNA配列データを世界的に収集し，評価編集の後，世界の研究者へ提供しているのが，国際DNAデータバンクである．このデータバンクは日米欧の3者の機関で構成され，過去20年にわたって活動を続けている．各国のゲノムプロジェクトで決定された配列データは直ちに公表することが原則となっており，この意味でも国際DNAデータバンクの重要性はますます高まってきている．国際DNAデータバンクの一翼を担っているDDBJ（http：／／ddbj．nig．ac．jp）では，ゲノムデータなどの大王データを登録するための支援ツールの開発や，全ゲノム配列を対象に各種検索ができるツールの開発提供などを通して，この分野に貢献している．