ゲノム情報からみた新しい生物学--特集にあたって--

摘要

ゲノム研究がいよいよ本格化してきた．今までに，全ゲノムが解析されたものはバクテリアで20種をすでに越え，真核生物も酵母と線虫ですでに終了している．来年3月には，ヒトの全ゲノムの約80％に相当するDNA配列が米、欧、日の公的機関から発表される予定である．また，2003年には米国のベンチャー企業がヒトの全ゲノムのDNA配列決定を終了することを宣言している．さらには，ショウジョウバエの全ゲノムが本年中に完成する予定であり，イネゲノムも時間の問題といわれている．このように，つぎつぎと各種の生物の全ゲノムのDNA配列が決められ，それらのデータが自由に利用でさるネうなってきた現在，今までの生物学や生命科学はどのように変わるのであろうか？