メイオペン卜スの，多様性と進化: 小さな世界に広がる大きな多様性

摘要

メイォベントスは小型底生動物の総称であり，身近な環境にも多数存在する。肉眼では見つ けづらいが，実は多種多様な動物群を含hでおり，生物多様性や進化の点で，非常に魅力的 な動物たちである。本稿後半では特に動吻動物について，最新の研究例を交えて紹介する。種の多様性，すなわち「どこにどのような種力；暮 らしているの力1」を知ることは，生物多様性を理解 するための第一歩である。海洋には数多くの生物種 力5暮らしていることは周知の事実であり，日本近海には3万種を超える既知種と，さらに10万種を上 回る未記載種*が暮らしていると考えられている11。 この中には，魚類やサンゴといった"有名な"動物 たちのほかに，本特集の主役となる"メイォベントス"とよばれる動物たちも含まれる（図1)。