医療専門職は「遺伝学教育Jから 「ヒ卜遺伝学教育」へ—ヒ卜遺伝学教育ヮ一クショップからの提言

摘要

染色体遣伝子検査，臨床遺伝学を起源とする技術が急速に進歩し，生命科学系の産業に革新を起こそうとしてい る。しかし，医師、歯科医師をサポートする看護師をはじめとする医療専門職は，この「ヒ卜の遣伝学」の進歩 に十分対応しているのかどうか疑問がある。また，患者として医療機関を訪れる市民に対して十分な説明ができ， 先端医療を安心して受けてもらえているのだろうか。進歩した遺伝学的知識をいかにわかりやすく市民に理解させられるのだろうか。筆者らは，2014年9月に開かれた日本遺伝学会第86回大会（滋貿県）で「ヒ卜の遣伝学教育」 に関するワークショップ(WS)を開いた。本特集では，同WSで紹介した染色体遣伝子検査学，臨床遺伝学の理 解（通伝リテラシー)を進める試みをもとに，臨床遣伝学の総合専門職の必要性について論ずる。