マダイの滑走細菌症-暮その多発要因を考える- 三瓶湾漁業協同組合魚病研究室、水野芳嗣

摘要

滑走細菌症は海産魚にも淡水魚にも発生する病気です。発生報告も古く、淡水魚では1920年代からの報告があります。当初は滑走細菌症というよりも、原因細菌の名前をとって、「カラムナリス病」という呼称が一般的でした。 日本ではウナギやこジマスの本症が有名です。 海産魚で登場しはじめたのは、40年代にカラフトマスで、日本では70年代に冬季のブリで最初に発生報告がありました。その後、イシダイ、イシガキダイ、マダイ、トラフグ、ヒラメ等、大半の海産養殖魚種で発生し、時に大きな被害を出すようになりました。 淡水魚の滑走細菌症と海産魚の滑走細菌症の原因細菌は異なり、一般的に前者がフレキシバクター、カラムナリス　 （Flexibacter columnaris）、後者がフレキシバクターマリチムス　 (Fexibacter maritmus)です。