ヒラメに対する発酵混合物による魚粉代替効果

摘要

養魚飼料費は、集約的養殖事業の生産コストの約50～60％を占めており、養殖業の成功は、いかに良質で安価な養魚飼料を入手し、給餌するかに懸かっているといっても過言ではない。海産魚類用養魚飼料の主なタンパク質源は魚粉であるが、最近、その資源量の減少、環境問題、価格高騰など、その利用を取り巻く環境は大変厳しい状況にある。その結果、多くの研究機関で魚粉に取って代わるタンパク質源の研究が開始されている。　近年、発酵飼料を家畜類に投与することで、対象動物の成長、健全性、さらには、肉質が向上するという報告がなされるようになった。これらの発酵飼料は、イカやホタテガイ残さのような産業副産物から構成されており、価格的に効率の良い産物である。しかしながら、魚類に対するこれら発酵飼料の効果を調べた研究はほとhどないのが現状である。もし、発酵物が効果的であることが判明すれば、養魚飼料中の魚粉代替原料として、大きな価値を見いだすこととなる。