豚のバイオメカ＝ズム 第5回 豚のからだを動かす筋（骨格筋、心筋、平滑筋）組織の特徴

摘要

骨格筋は骨格筋組織からなり、その主な構成は筋線経（筋細胞とも呼びます）とこの筋線椎の間を埋めて束ねる結合組織です。図1のように、豚の筋の横断面を観察しますと、骨格筋の表面は肉眼的には一般に筋膜といわれる筋上膜で包まれています。筋上膜は、膠原線経（タンパク質のコラーゲンからなる白色の線経）　と弾性線経（タンパク質のエラスチンからなる黄色の線経）を含む結合組織からなり、とても強靭です。この筋上膜は筋組織の内部に入り込み、筋周膜を形成し、筋線椎を束ね、多数の筋束に分けています。さらに、個々の筋線経を包み、筋線経を接着させる筋内膜があります。すなわち、筋上膜は筋肉を包み、筋周膜は筋束を包み、筋内膜は筋線経を包hでいます。筋上膜、筋周膜および筋内膜は結合組織からなり、いずれもつながっていますが、結合組織内には毛細血管が多く分布して毛細血管網をつくつています。