家畜伝染病発生に対する危機管理体制の構築に向けて

摘要

近年、口蹄疫、牛海綿状脳症、高病原性鳥インフルエンザ　 （HPAI）　 など家畜伝染病の相次ぐ発生により、これら家畜伝染病に対する危機管理体制の強化がますます求められてきています。 特にHPAIなど極めて伝染力が強く、莫大な経済的被害が予想される家畜伝染病の制圧には、迅速な初動防疫が要求されるため、事前準備が不可欠です。栃木県県央家畜保健衛生所では、平成十六年十一月に特定家畜伝染病防疫指針が公表されたのを契機に、十七年二月にHPAI、そして六月に。 蹄疫の防疫机上演習を実施するとともに、発生農場の防疫措置に必要な時間、人員、資材、費用が試算できるシュミレーションシステムを作成し、防疫体制の強化を図りました　 ▏?、写真1）。 本稿では。 蹄疫の防疫演習概要を主として報告しますが、他畜種で家畜伝染病が発生した際の状況と、共通点を認識いただきたいと思います。