主要家畜品種成立史（24）スパニッシュ、メリノ種

摘要

スパニッシュ、メリノ（Spanish Merino）種はイベリア半島南部を発祥の地とする細毛の羊で、現地ではMerinaと呼ばれている。 そのウールはきわめて高品質であり、本品種を基にして、数多くのメリノ、タイプの品種が作出され、世界中で広く飼養されている。 本品種の起源は、メソポタミア時代（紀元前2．000年ごろ）に西アジアで家畜化された古代羊で、地中海経由で移住者によって、スペインに持ち込まれたとされる。 その微細な羊毛はスペインにとって経済的にきわめて重要な生産物であった。 そして、18世紀までは、法律により生体での輸出が禁止されていた。 政府の組織的な保護政策により品種の改良が進められ、また高品質な飼料を給与できるように広範囲な遊牧が奨励された。