和牛登録事業からみる 和牛の子牛生産、繁殖牛の動向

摘要

和牛生産を巡る状況は、和牛肉の重要輸 出品目としての位置付けやもと牛不足に起因し て、子牛市場価格が歴史的な高値で推移しているところである。ちなみに、平成27年1月-12月の1年間の牛肉輸出額は、110億円を 超え（前年度対比34.7%増）、平成32年目標、 250億円の中間目標である平成28年度目標、 113億円に迫る伸びを示している。また、子牛 価格は、この2月には全国平均78万円に迫り、 7力月連続で過去最高値を更新したと報じられ ている。一方、登録頭数は、平成26年度の 補正予算を含め、平成27年度から3力年計画 の「増頭作戦」により、全体としては回復傾向 にあるが、地域によっては繁殖雌牛の導入や保留に慎重になる動きも見られ、これまで以上 に産地間の差が広力5りつつあることが懸念され ている状況である。担い手の不足による農家 戸数の減少、多様化する経営形態への対応も 含め、生産、改良基盤の拡充と強化は喫緊の 課題となっている。