日本の養豚場におけるPRRS (豚繁殖、呼吸B害症候群）の浸潤状況と 生産成績との関連の調査

摘要

豚繁殖、呼吸障害症候群（porcine reproductive and respiratory syndrome: PRRS)は世界中の養豚産業に甚大な経済 被害をもたらしている豚疾病のひとつである。 PRRSはPRRSウィルス（PRRSV)感染によつ て起こり、繁殖豚群では繁殖障害、肥育豚で は呼吸器症状を特徴とする。本病による経済 被害は年間283億円と試算されている"]。これまで日本国内ではPRRSの症例報告 や、ウィルス学的観点から多数の研究がなさ れてきた。しかしながら、農場の疫学情報や、 PRRSV保有状況の生産性への影響について 評価した報告は少ない。そこで本研究では、 PRRSV陽性農場と陰性農場の生産性の差を 評価するとともに、養豚場の属する所在地域 や飼養頭数（常時母豚数）、周辺養豚場の有 無の要因と、農場のPRRSV保有状況との関 連を検討した。