熱帯地域での交雑育種に注目されている '熱帯適応性を持つ温帯牛'

摘要

筆者が"熱帯適応性を持つ温帯牛品種(Tropically adapted temperate cattle breed)"の 存在を知ったのは、JICA畜産専門家としてフィ リピン国に赴任していた1999年にマニラ市で開 催された第二回アジア水牛学会に出席した時で ある。教えてくれた人は38年前に豪州で熱帯肉 牛の育種、飼養管理、牧草生産利用について2 年間勉強をしていた時の先生の一人であった連 邦科学産業研究機構CSIRO (Commonwealth Scientinc and Industrial Research Organizationノ のクインズランド州ロックハンプトン市にある熱帯 牛研究所の研究官のDr. John Frischであった。 この人から、熱帯適応性を持つ温帯牛品種の熱 帯での牛生産性改善への重要性を教えてもらつ た。この時、同博士は同水牛学会のメインスピー カーとして招聘されていた。