草地分野における技術開発とその背景(2

摘要

四葉のクローバを見つけると幸運が訪れるという。このクローバを多葉方向に選抜を続けるとどこまで多くなるかに挑戦し続け、85歳にして56葉クローバを見つけてギネス に申請し、自身は認定の知らせを見届けないまま亡くなった研究者がいる。我が国で 牧草, 飼料作物の育種が本格的に始まったのが昭和40年前後、それ以来多くの研究 者が草地農業の発展を目指して育種事業に取り組hだ。しかし、わが国で育成され た品種でも種子増殖はそのほとhどをアメリカに依存している。何故種子増殖までもァ メリ力に頼るようになったカゝ、その過程を牧草育種の歴史と種子流通制度から紐解き、 今後の牧草育種についての方向性を探ることにした(文中敬称略)。