豚の経口投与型ワクチンの開発:豚丹毒と豚マイコプラズマ肺炎をまとめて予防する

摘要

近年、養豚経営の大規模化、集約化の流れ は一段と加速化している。平成元年以降、国内の飼育頭数は900万-1,000万頭規模で維 持しており、飼養戸数は50,200戸（平成元年） から7,230戸（平成20年）と1/7に減少してい る。これに反して1戸当たりの飼養頭数は平成 以後7倍に増加しているが、飼育規模の大規 模化に伴い感染症の発生も増加している。平 成20年度は離乳豚の10.5% (養豚基礎調査、 日本養豚協会)、すなわち、年間150万頭以上 の子豚が死亡したと推測されてレお。この死亡 の原因の多くは肺炎、下痢である。それらは、 豚繁殖、呼吸器障害症候群（PRRS)や豚サー コウィルス関連疾病（PCVAD)を起こすウィル スによるものとされている力、マイコプラズマな どの細菌に汚染されている農場ではそれらが 容易に感染し、死亡率の増加を引き起こして レ、る。