複合農牧業経営モデル普及システム強化プロジェク卜(モンゴル国)

摘要

ここ数年、NlI本を屮心に^の黄砂被害が深 刻化しています。この原因は中国大陸タクラマ カン砂漠.ゴビ砂漠付近の土壌が舞レゝ上がって 日本まで飛来するものです。今回は、このゴビ 砂漠のあるモンゴル国より、現地の農業事情と 課題、対応策として（独）国際協力機構（JICA) が技術協力を行っている「複合農牧業経営モデ ル普及システム強化プロジェクト」について紹介 します。人口わずか290万人が日本の約4倍の面積に 居住するモンゴル国は、平均降水量200腿前後 と年間を通じて乾燥し、気温はおおむね夏の35 °Cから冬は-35°Cと自然環境が大変厳しく、作 物栽培が困難な限界地域にあるため、広大な自 然草原を利用した伝統的な遊牧が行われてきま した。一般的に羊、山羊、牛、馬そしてラクダの五畜が遊牧民によって管理され、それぞれが 家畜として異なる役割を担うとともに、自然草地 を最も有効かつ持続的に利用しています。主食 (羊肉)、カシミア(山羊)、乳製品（牛)、移動手段（馬)、ゲルの引越し（ラタダ）等々と、一 度モンゴル国の地方を訪問すれば、隅々に至る まで家畜とともに共存している遊牧民の生活を 実感することとなります。