（4）新しい家畜と研究推進の司令塔

摘要

最近、家畜品種に関する素晴らしい事典が出版された。 牛、馬、豚、山羊、羊などの品種が写真付きで紹介されている。 世界には数多くの品種の家畜が飼育されていることを実感する。 また、犬に関する優れた図鑑も出版されているが、これをみると一つの種がこれほどまでに変化するのかと驚く。 家畜のこのような多様性は、人が動物に望むものの多様性を表しているといえる。 そして、技術が進み、人の手で、新しい家畜が誕生している。 キメラによってつくられた「ギープ」はよく知られている。 羊と山羊の特徴をあわせ持つ家畜である。わが国でも、黒毛と赤毛がまじった和牛のキメラが生まれている。 さらに、研究は進み、医療に使われる薬や臓器をつくる家畜が誕生している。 家畜に遺伝子を導入して薬をつくらせたり、遺伝子を破壊して人に移植しても拒絶されない臓器をつくったりすることが可能になったからである。 今まで見ることもなかった新しい家畜である。 このような家畜が次々に登場している。