地鶏、国産鶏種の普及へのヒント -鶏種から見た世界の動き

摘要

日本の肉用鶏ついては、経済性を最大限追 求したブロイラーによる鶏肉生産とわが国在来 種等を利用して日本国内で育種改良した国産 鶏種による鶏肉生産に大別できる。国産鶏種は、 「独立行政法人家畜改良センター、都道府県 および民間の関係機関の連携の下に日本国内 で育種改良された種鶏と、これらから生産された実用鶏」（平成27年3月農林水産省「鶏の 改良増殖目標」）と定義されており、地鶏は事 実上すベて国産鶏種に含まれる。平成29年に おける肉用鶏に関する国産鶏種の鶏種数や出 荷羽数は表1の通りである。この表にあるよう に37都道府県において、49鶏種が開発され、 年間出荷羽数は685万羽余り。これに民間で 開発された鶏種の年間出荷羽数と独立行政法 人家畜改良センタ一兵庫牧場（以下「兵庫牧 場」）で開発された「はりま」「たつの」という鶏 種にかかる年間出荷羽数を加えると合計で約 1,023万羽となる。平成29年の国内の肉用鶏 出荷羽数は、6億7,771万羽なので、国産鶏 種の出荷羽数が占める割合は、わずか1.5%と なっている。