無看護分娩時の新生子豚損耗軽減と省力管理のための保湿器異の開発

摘要

近代養豚経営においては、労働力節減の必要性または確保難から、無看護分娩法が広く定着しっつあるが、管理施設の保温性等の違いから施設により出生したばかりの子豚（以下、新生子豚）の損耗状況に差が認められ、改善策が望まれる。 とくに冬季の新生豚の損耗は、養豚繁殖経営農家に多大な経済的損失を与えかねない。 分娩直後の新生子豚は体温が高いが、吸乱行動を開始する出生後一～二時間経過後からじょじょに体温が低下しはじめる（図一）。体温の恒常性を維持するためには、外気温にあわせて体内で熱発生量を調節する必要があるが、新生豚は、これらの生理機能が未熟なので寒冷による熱の放出が発生より過剰になると、体温の急激な低下をもたらすとされている。