養鶏場におけるワクモ被害の現状と防除について

摘要

いまだに終息しない養鶏場におけるワクモについて、薬剤耐性の推移、被害状況 などを報告するとともに、新薬も含めた防除方法を紹介する。鶏の外部寄生虫であるヮクモが養鶏産業界で問題となつてから、既に10年以上が経過している。ワクモによる被害、新薬も含めての 防除方法について紹介する。ワクモはダニ目、中気門亜目、ワクモ科に 属するダニで、養鶏産業界に多大な経済的被 害を与える鶏の外部寄生虫の筆頭である。吸血した成ダニでも2mm以下と小さく、昼間 はケージのつなぎ目、餌樋の金具の裏、ケ一 ジの奥などに生息しているため、発見が遅れ る。鶏舎構造によるワクモの浸潤率に差はみ られないが、ウィンドウレス鶏舎内は暗いた め、ワクモが観察された時には重度汚染に 陥っている場合が多い。ワクモのライフサイ クルは、8-9日間である力《、環境条件によつて多少差が生じる。成ダニの生存期間も環境条件によって異なる力、約3力月である。し かし、条件さえ良ければ、吸血なしで約9力 月も生存するものもいる。未吸血の第1若ダ 二は、成ダニより長期間生存する。