食肉および畜産副産物由来の機能性について－科学的データに基づいた機能性素材の提案－

摘要

少子高齢化社会を迎え、食品がもつ生命維持に不可欠な栄養素の補給（一次機能）、風味や食感の好ましさ（二次機能）に加え、生理活性機能（三次機能）を求める二ーズが高まっている。 わが国の健康食品市場は約1兆2300億円と推定され、この1年間で約12％も伸長した。 実に多くの健康食品が生活習慣病予防やアンチエイジングなどの機能を訴求して市場に出回っているが、科学的データに裏付けされた製品は少ない。 その一因として、健康食品に利用される機能性素材の三次機能研究が発展途上であることが挙げられる。機能性素材の基盤的研究を強化すること、すなわち、あらゆる機能性素材の作用メカ二ズム、生理活性、物理化学特性および安全性などを科学的に解明し、体系立てて研究することにより消費者に製品の正確な情報と利益を与えることは、食品企業の重要な役割である。