冬場でも凍結しない車両消毒装置の開発と実用化一伝染病の感染拡大防止、早期沈静化に貢献

摘要

平成22年、宮崎県で大規模な口蹄疫が発生 したことは記憶に新しい。この伝染病は牛や 豚などの偶蹄類が感染する高い伝染力を持つ ウィルス感染症であり、感染した家畜は殺処 分され、地域、国単位で家畜の厳しい移動制 限がかけられることから経済的被害がきわめ て大きい。日本で有数の黒毛和牛までが失わ れる結果になったことは非常に残念であり、 また、海外では韓国、中国など今でもロ蹄疫 が潜在的に存在しているのが現状である。ウィルスは人、車を媒体として感染するた め、今までの感染予防対応策として①消石灰 (水酸化カルシウム）を撒く方法は安価で比 較的効果があるがタイャ設置面しか消毒され ない、これは長靴でも同じ事である、②手動 による噴霧は手間がかかり、水圧が低いと車 に付着した汚れやウィルスを十分除去できず、車の底やタイヤハウスまできれいにする ことはできない、③アーチ型消毒機は乗車し たまま消毒が可能であるが、車の下回り除菌 が不十分で特にタイャハウス内は難しかつ た、④厳寒の季節は消毒液を温めても瞬時に 凍ってしまう。不凍液を混入する方法もある が、ランニングコストがかかり環境汚染になるなどの課題があった。また、市販の噴霧装 置を取り付け消毒効果の試験を行つた結果、 思ったほどの効果を発揮していなかった。