モンゴル国の酪農業の現状と将来展望 －－酪農場と乳牛所有牧家を対象とした聞取り調査結果を中心に －－

摘要

モンゴル国では，数千年にわたる伝統的な遊牧技術が草原の生態系を維持し，それを持続可能にしてきたが，今後も長期間保たれると推察される。 また，さまざまな混合物からなる飼料の利用に伴う安全性が問題となっている現状からみても，牧草地の天然の飼料を安価に使用する，遊牧畜業のメリットを活用する必要がある。 しかし，遊牧は生産性が低く，都市から遠隔地に分散しているため，乳製品など品目によっては都市住民の需要を満たせないという深刻な問題がある。