家畜育種の理論とその応用（18）家畜育種の経済的側面一とくに経済的重みづけ値を中心に一

摘要

乳肉兼用種の乳形質と屠肉形質を想定した場合，乳形質は泌乳周期ごとに複数回測定できるが，屠肉形質は屠殺時に1度しか測定できない。 このような発現頻度の異なる形質の発現頻度の相違を考慮することは重要である。 discounted gene flow法は，McclintockandCunningham（1974）によって，異なる形質の発現頻度とその形質が発現するまでの時間のずれを補正する目的で開発された手法である。 その後，Danellら（1976）やWilton and Danell（1981）は，この手法をより複雑な条件に適用できるように発展した。 他方，Brascamp（1975，1978，1983）は，Hill（1974）のマルコフ過程に基づき遺伝子の流れを表現しようとする方法を拡張させたdiscounted gene flow法を発表した。