近代鶏の生産学（1)

摘要

近代における畜産動物の生産能力の向上はめざま しい。鶏も他の畜産動物と同じように，生産能力が向 上しており，その発展は自動車産業が発展してきたの とよく似ており，，はそれほどの違いはないが，そ の内容の生産能力は桁違いに発展している。産卵鶏を 例に挙げれば，産卵率，死亡率，性成熟到達日数，体 重などで生産能力の発展を知ることができる。産卵数について産卵の仕方がクラッチ(clutch ：連産）という 言葉で表現されていたのが，栄養，特にカルシウム栄 養が正しく行われれば，産卵を開始してから30個か ら40個は続けて産卵するシークェンス（sequence:連 続産卵）という言葉で表されるようになつたことでも 分かる。現在の家禽繁殖生理学ではクラッチとシーク エンスはすでに同義語として用いられるようになつ ている。肉用鶏の発展に目を向ければ，肉用鶏を調理 法から炙る（broil：ブロイル），フライにする（fry：フラ ィ），丸焼きにする（roast: 口一スト）目的で，体重の大 きさでブロイラー，フライヤ一，ロースターと肉用鶏 開発初期には呼ばれていたが，育種改良による発展で， 初生ヒナは一晩で増体重が25%増加し，5週齢では 5， 000%増加の体重2 kgとなり，今日ではブロイラ一 が肉用鶏の代名詞として用いられているようになつ ている。このように発展しつつある近代鶏の生産学に ついてその内容を見る。