野生動物捕獲の担い手確保と野生鳥獣肉の利用促進一民間団体による取り組み一

摘要

野生動物の生息数増加や生息域拡大による諸問題が全国で報告されている。特に，クマ類，二ホンジ力(Cervus nippon),イノシシ（S"s scrofa), 二ホンサノレ(Macaca fuscata)やカラス類な どの野生動物による問題は深刻であり，これらの問題に対処するにあたり狩猁者は大きな役割 を担っている。し力ゝし，狩猁者数はピークであった1970年代から年々減少しており（環境省 2019)，狩*者の減少および高齢化による捕獲の担い手不足が問題となっている。この問題に対 して，地方自治体では地域における野生動物の捕獲を担う人材を確保するために，若手狩鳅者 を対象とした捕獲従事者育成事業などを実施している（中谷（細田）、中谷2017)。また，北海道 では2018年度からェゾシカジビエ利用拡大推進事業（以下，ジビエ事業）を開始し，ェゾシ力 (Cervus nippon yesoensis)の狩猁捕獲に対する支援が新設され，野生鳥獣肉（以下，ジビエ）の利 活用促進と野生動物管理の更なる発展が期待されている。