複数の衛星画像を用いた乾燥地畑作地帯における土地被覆分類の試み:中国内蒙古自治区河套灌区を事例として

摘要

簡便な手法として複数時点の衛星画像の画素 値の平均値と標準偏差のみを用いることにより、土地被覆さらには作況の判別を行う手法を 提案し、中国内蒙古自治区河套灌区を対象として、Aqua/MODISおよびLandsat/ETM+による判別精度を検証した。MODISについては、 画素値としてNDVIと蒸発量を用いることにより、「宅地」「砂地」「水域」「農地」「塩害裸地」 「塩害草地」の6類型について良好な精度での判別が可能であることが示された。ETM+に ついては、作物および作況に関して、画素値としてNDVI、 NDWIおよびGreenness、 Wetness を用いた判別を試みたが、これらの指標による 判別は困難であることが示唆された。一方で、「農地」「塩害地」「水域」「砂地および宅地」の4類型に関しては、高い精度で判別可能である ことが示された。