水熱源ヒートポンプシステムの開発と バラ農家への導入

摘要

地下水等を利用する水熱源ヒートポンプは、15-17°Cという周年を通じ安定した熱源が確保 できることから、空気熱源にみられるデフロス ト（外気温が低いときに蒸発器のフィンに付着 する霜を取り除くこと）によるCOP (成績係 数：ヒートポンプの能率を示す指標）低下の問題がなく、 C 0 Pの飛躍的な向上が期待できる。 また、二酸化炭素の排出量が空気熱源の70%以 下であり、ヒートアイランドを助長することも ない。一方、水熱源を活用する場合は、良質な水を 確保しなければならず、地域や場所が限定され てしまうという問題点がある。また、熱源冋収 後の水温低下による凍結や、それを生じさせな い潤沢な地下水Mも考慮しなければならない。 さらに、空気熱源に対応した高性能なヒートポ ンプはこれまで数多く開発されている力、実用的な能力差はないものの水熱源に対応した製品 はまだまだ少ないのが現状である。实際、地下 水を含む地中熱ヒートポンプの住宅やビルにお ける普及状況をみても、アメリカやスウェーデ ンと比べ日本での設備はまだまだ遅れている (図1)。