化学でつくる機能性分子磁性体

摘要

「磁性材料は金属や金属酸化物からなる無機系の材料である」という常識を覆した，有機物や金属錯体からなる磁性材料（いわゆる分子磁性材料）の研究·開発は，1980年代後半ころから急激に国際的にも盛hになって参りました．1989年より開催されている分子磁性のみをテーマにした国際会議（ICMM＝International Conference on Molecule-based Magnetism）も2006年（カナダ·ビクトリア）で10回目を数え，さらに成書の出版等も盛hであることなどからも，この分野のアクティビティーが年々その規模を増していることが理解できます．