中国の資源規制が国際相場の下落を抑制--超硬工具の需要減が今年後半に回復との期待も

摘要

タングステンは，ここ4年ほど続いてきた好調な超硬工具需要が急速に悪化する申，国際相場は中国政府や同国企業による価格維持策で1割程度の下落にとどまる。 日本やアメリカ，ヨーロッパなどの超硬工具メーカーは，国際相場が05年から高止まりしたことに対応し，値上りを誘導しないように過剰な引合いを手控え，省資源化やリサイクルなどの対策を進めてきた。 昨年秋以降は世界的な景気後退を受け,自動車や機械など需要家の業界で減産が進み，超硬工具需要も低迷。 中国内の鉱石価格（LMB）はここ1年で4割近く下落したものの，中国政府が昨年初めから輸出関税を引上ばた影響などで，鉱石や中間原料·APTの国際相場（同）は中国内の鉱石ほざ値下りしていない。 超硬工具の需要減は早ければ今年後半にも下げ止まるとの見方もあり，需要国復まで中国が価格維持策を続けられるかが焦点となっている。