原料·磁石·商社·末端ユ一ザ一約140名が参加

摘要

日本ボンド磁石工業協会が開催した「Nd-Fe-B系磁石の特許·討論会」は，同磁石に関する特許状況を正確に把握しておかないと原料磁石メーカーに限らず流通や部品機器などの最終製品の製造·販売に思わぬ支障をきたす恐れがあることから，同磁石に関連した業務に携わっている各業界人の「ビジネスに役立ててもらうことを目的に企画」（原田英樹会長）された。 討論会には特許担当者,ユーザー，商社も含め約140名が参加し,バネリスト（P.2別項）への質問，意見が活発に交わされた。 ネオジム系を中心に希土類磁石の用途ほ環境対応型の自動車,新エネルギー，IT（情報技術）分野などに広がりをみせ，また市場もグローバル化しており,同系磁石に関する各社の特許ポジションを理解しておくことが今後のビジネスを展開するうえで重要になっている。 同系磁石に関係した特許は主要なものだけでも853件（1982年～2002年1月.焼結，ボンド磁石，磁粉，磁石合金,材料，プロセスなど）に達している。 同系磁石は，基本的に日本，米，欧など特許権が及ぶ地域において住友特殊金属，MQIの2社が特許実施権を握っている（両社は1988年11月にクロスライセンス契約を締結）。 しかし，両社の特許有効期限が切れると同系磁石を自由に製造·販売することができるため，特許が何時切れるのかが注目の的となっている。 どうかするとコスト至上主義の風潮が強い中ではコスト競争力のある生産者が強者にのし上がる可能性が高い。 ところが，基本特許は切れても，その周辺特許がたくさh存在し，まるでジャングルのよう」（本間基文氏）と表現されるように，特許事情はそう単純でなくなっている。