文化財保存の観点で写真はどhな役割を果せるか？

摘要

私は写真学会の編集委員を約10年仰せつかり昨年その責を辞した．最後の3年間は西城編集委員長のもとで特集「写真と文化財の関わり」の編集に携わり26人と言う多くのひとと関わりを持てたことが私の財産にもなったと感謝している．その「特集にあたり」でも述べているが写真が今までにどのような形で文化財に関与して来て今後どのように関わって行こうとしているのだろうか？ 又「写真」と「文化財」どちらに重点があるのだろうか？ 当初は「文化財と写真」と名づけたりしたこともあり，「写真を文化財に！ 」や「文化財保存のための写真」を意識するとやはり対等との考えが強い．いずれにしても地球環境も考慮するとこの二つの概念は将来も対等でいてほしいと思っている．編集委員長より巻頭言の依頼を受け，任としては時期尚早とは思うが上記特集にスポットを当て過去数年·数十年·数百年·数千年の単位で写真が文化財に果たせた実例を紹介してみることにする．