コラムタイプ電動パワーステアリングのラトル音解析技術の確立

摘要

電動パワーステアリングに採用される減速機芯間調整機構は，ウォームギヤのバックラツシによるギヤ反転時の歯打ち音の低減を目的に，使用温度や経年によるウォームとウォームホイール間の芯間距離変化を，ウォーム弾性支持部が吸収してギヤバックラッシを抑える構造となっており，従来構造に対して歯打ち音は大幅に低減している．しかし，本構造でウォームは本来の回転運動以外に，微小ではあるが並進運動をすることから，ステアリングシステムに急激な荷重変化が生じた場合，ラトル音と称する打音が発生することがある．そこで，減速機芯間調整機構に起因するラトル音の発生予測と，ラトル音の原因となるウォームの並進運動による衝撃力を抑制する最適諸元の導出を目的に，コラムタイプ電動パワーステアリング（C-EPS）を対象としたC-EPS用ラトル音解析シミュレーションを開発したので紹介する．