海外のデミング賞受賞企業におけるTQM活動の特徴

摘要

以上，述べたように1998年以降の海外におけるデミング賞受賞企業のTQM活動には多くの共通点があり，それらを着実に消化した上で彼らは自社の業態，経営方針さらには企業文化に立脚した独自のTQMを構築している。 それは日本企業で近年デミング賞を受賞したサンデンのTQM活動とも多くの類似点があることから,TQMにより経営革新を図り，持続的な成長を達成しようとする成長段階にある企業には共通したTQMの推進方法のあり方を提示しているといえる．TQM推進には必ずしも標準があるのではないが，デミング賞受賞という一里塚に到達するためのステップとしては他の企業特にTQMを導入·推進する計画を有している企業にとって参考になることは間違いない．今後，これらの企業がデミング賞受賞後のステップアップをどのように図るのか,また自国市場でのビジネスから脱却し,グローバルビジネスに突入した時に求められるTQMの課題は多い。 それは成熟段階に達した日本企業が直面しているTQMの課題でもある。