試乗紹介：しっかりとした乗り心地秀逸な制動性能

摘要

新型キャンターの概要を把握していただいたところで，実際にハンドルを握っての印象をお届けしよう。 新型キャンターのコンセプトをもう少し解くと，日本で普及した効率重視のキャブオーバートラックを，国際市場の要求を入れて高めたということだ。欧米でこのクラスのトラックはボンネットまたはセミキャブオーバーが主流になる。 このセミキャブオーバーを上回るフルキャブオーバートラックの積載効率を活かしながら「キャブ空間の拡大」と「衝突安全性の確保」が得られれば国際的な商品力は一層向上する。そのためワイドキャブは大胆に大型化されたし，全車がキャブ内部のトラバース性を向上し，実質空間を拡大するインパネシフトを採用した。同時に，万一の衝突時，安全のマージンを確保しうるキャブ構造とシャーシー構造が盛り込まれている。 これらはいずれもフルモデルチェンジだからできたこと。 特に衝突安全性の向上は，効果のほどを体験する機会はまれであるとしても，社会的には大きな説得力を持つ良識ある開発努力といえる。