抗ィンフルェンザ薬耐性ウイルズの高感度検出分離法の開発

摘要

ィンフルェンザA . B型ウィルスや一部のパラミクソウィルスは，ウィルス受容体 であるシアル酸を糖鎖末端から切断する酵素「シァリダ—ゼ」を持つ。ウィルスの感 染細胞上には，ウィルス由来のシァリダ一ゼが豊富に発現する。筆者らが開発したシ 了リダ一ゼ蛍光ィメ一ジング剤「BTP3-Neu5Ac」は，シァリダ一ゼ活性を組織化学 的に蛍光イメージングする。BTP3-Neu5Acは，特異的抗体や細胞の固定化操作を必 要とせずに，ウィルスや感染細胞を簡便迅速に蛍光イメージングできる。インフルェ ンザ治療薬であるNeuraminidase (NA)阻害薬をBTP3-Neu5Acと併用することで， 薬剤耐性ィンフルェンザウィルスの感染細胞を選択的に蛍光イメージングして，薬 剤耐性ウィルス株を高効率に単離することができる。本稿では，BTP3-Neu5Acを利 用した，ウィルスの蛍光イメージングと薬剤耐性ウィルスの検出分離法への応用に ついて概説する。