経口剤ボリコナゾ一ルに関する用量設定の検討

摘要

Voriconazole (VRCZ)は幅広い抗真菌スぺクトルを有するトリアゾ―ル系抗真菌 薬であり，注射剤と経口剤の2剤形をもつ。VRCZは添付文書にあるように経口剤と 注射剤の用量設定が異なる。本薬剤は負荷投与量が必要であり，静脈内投与において 負荷投与量として6mg/kgを1日2回投与，2日目以降は維持療法として3~4mg/kgの 1日2回投与が推奨される。経口では投与初日に1回300mgを1日2回，2日目以降は 維持量として150~200mgを1日2回食間投与である。経口投与では40kg以上では 1回200mgを1日2回，体重が40kg未満では1回lOOmgを1日2回の食間投与が推奨 される。今回，愛知医科大学病院において経口剤VRCZが投与された23症例におい て初回Therapeutic drug monitoring (TDM)を実施したVRCZ血槳中濃度と用量また は用量/体重をSpearmanの相関解析を行った。VRCZ血槳中濃度と用量/体重におい て良好な相関関係を認めた（r=0.47 p<0.05)。今回の結果からVRCZの経口剤は注 射剤と同様に，体重あたりの用量設定が適切である。