埼玉県における無菌材料から分離された力ンジダ属の薬剤感受性

摘要

今回，我々は埼玉県下の複数の医療機関において血液など無菌的な臨床材料から 分離されたカンジダ属の各種抗真菌薬に対する薬剤感受性を検討した。対象は，平成19年11月から平成23年7月までに，埼玉県内の6施設において無菌材料から分離さ れたカンジダ属とした。菌株数は85株であり，内訳は，Candida albicans 43株 (50.6%) ， Candidaparavsuosis 24株(28.2%) ， Candida glabrata 5株(5.9%) ， Candida tropicalis5株(5.9%)であった。その他は，Candida guilliermondii4株(4.7%), Candida termentati 2株(2.4%) ， Candida jamataとCandida lusitaniaeがそれそれ1株 (1.2%)であった。各種抗真菌薬に対する薬剤感受性に関しては，amphotericinBで はすべての菌株が良好な感受性を示し，C.albicansにおけるfluconazole耐性株も認め なかった。また，micafunginでは，C. glabrataの5株中3株に耐性を認めた。以上，埼 玉県内で無菌材料から分離されたカンジダ属における各種抗真菌薬の薬剤感受性を 検討したので，若干の考察を含め報告する。