10億色表示を可能にする液晶テレビ駆動LSI:ML9156

摘要

近年の液晶テレビの普及には，目覚しい勢いを感じる。この背景には，以下の2点の理由がある。 1つは，国内の液晶パネルメーカの研究成果により，視野角と動画面質が改善し．これまでのテレピでなじみ深いブラウン管(CRT)と同等レベルの画面特性が得られるようになったこと。 もう1つは，地上波デジタル放送の開始（2003年12月より，関東，近畿，中京地区で放送開始）や，それと合わせたハイビジョン放送数の増加と，家電機器のインテリア嗜好といった，市場環境の変化によるところが大きいと言える。現在のテレビの買い替え市場は，高額ではあっても，大画面化，薄型軽量化に高い価値が置かれていると言える。 また，2011年に，日本の国策としてBS，CSおよび地上波の，全アナログ放送が廃止される予定である。したがって，このような電波送受信方式の切替わりも視野に入れた，地上波デジタルチューナなどの周辺機器対応も充実している大画面の液晶テレビ市場は，今後も成長を続けると見られている。 欧米やアジア諸国においても例外ではなく，世界規模で液晶テレビの普及は広がっている。本稿では，液晶テレビを駆動するソースドライバLSIの，最新技術とその特徴について述べる。